アーティストに会う:J.hao

Feb 25, 2021 / Art

アーティストに会う:J.hao

Feb 25, 2021 / Art

黒い線と白い背景は、必要最低限な要素で感情を表現するのに最も豊かな材料であろう
── J.hao

作家について

アーティストでありイラストレーターでもあるJ. haoさんは、現実とフィクションの「瞬間」を軽快に捉えたシンプルな線画で知られている。 雑誌や展覧会でも作品を発表している現役のイラストレーターである彼は、昨年蔡英文総統の再選活動のためのアートキュレーションも行った。 ブロックチェーン上での作品発表は今回が初めてで、アーティストとしてのキャリアに新たなる一ページを刻むことになる。

https://dex.lootex.io/ja/stores/j-hao


インタビュー

こんにちは、まず自己紹介をお願いします。

Photo credit: J.hao

私はいわゆる「北漂仔」という台北に移住してきた台湾南部の出身者ですが、 「飢え死にしそうにないならば、夢でも追いかけてみよう」ということに気付き、自分の人生を線で表現し、記録するようになりました。

自分の作品がミニマリストに分類されやすいことに対しては、まぁ、気持ち的には複雑ですが、ヒップスターウォールだけではなく、いつかはギャラリーにでもコレクションされたらいいなと思います。

インスピレーションというと、一部は、街で出会う通行人や友人と出かけるときの騒がしい瞬間など現実からくるものもあれば、ゲーム、映画、コミックなどバーチャルな世界からくるものも想像力の栄養になります。

黒い線と白い背景は、必要最低限な要素で感情を表現するのに最も豊かな材料であろうと思って、あまり色を使わない方がシンプルだと思っていたのですが、最近はシンプルなものほど複雑で難しいなぁと気がつきましたが、もう後戻りはできませんね。

ご出身はどちらですか?

台湾の高雄

高雄です。去年に4回も選挙投票のために実家に戻った者の一人です。

(注:総統選、高雄市長リコール投票、高雄市長補欠選挙、里長(町長)選)

アートの世界に入った切っ掛けはなんですか?

インスパイアは黒のスタイラスを使って繊細でゴージャスな絵を描いていたKerby Rosanesというクリエーターからでした。

私は似たような筆致で1年ほど制作していて、主に写実的で複雑な作風でしたが、5~6時間かかることもしばしばありました。

その後、キュレーターのお仕事でノリタケさんと長場優さんの作品に出会い、黒い線での創作が持つ違う一面を教わったのです。そこで、ミニマリストというスタイルは、時間をかけずに作れると思っていたのですが、実際にやり始めてみると、もっと難しいことに気づいたのです。

幸い、iPadを使うようになってからは、百本の線を描いて一番気に入りのを見つけた瞬間を楽しむことができるようになりましたが。

過去の実績で一番満足のできたものは何ですか?

そうですね、最近は自分のスラッシュキャリアを楽しんでします。実績で言うとですね、

最近友人と一緒にキュレーション会社を立ち上げました!

ってことです。間違いなくこの2年間で最も誇らしいことの一つだと思います。

Photo credit: 3/3 Trio Design

私たちは、市場で地域の要素をブースサイズに凝縮した展示イベントを企画したり、総統選選挙本部に商業(キャラクター)IPの活気ある要素を取り入れたコラボも行ってきました。

Photo credit: 3/3 Trio Design

それに、より多くの見応えのある展覧会を一般の人に知って頂くことを目的にポッドキャストもはじめました。いくつかシリーズを展開してして、まだ採算は取れていませんが、視聴者からかなり好評を得ていますし、しかも価値のあるコンテンツを自主性を持って制作することができていますので、それが自分とチームの一番の誇りだと思います。

雑誌『VERSE』とのご縁について教えていただけますか?

僕の創作スタイルは何らかの「シンボル」に思われがちですが、今回『VERSE』とのコラボは、彼らの資金調達の段階と重なって、未出の制作品を代表できる「シンボル」が求められたので、おかげさまで重宝されました。

Photo credit: J.hao

それに、創刊に関わった方々をも描いてみました。限られた予算の中では、どちらかというと写真よりもイラストの方がコスパがいいアプローチになるようですね。

一般的なお取引の場合、お客さまに寄り添うために、私は自分のことをアーティストというよりもイラストレーターと名乗ることが多いのですが、『VERSE』の人たちはとても私のことをプロとして尊重してくださいましたので、描いたものを修正して欲しいのは一度もありませんでした。唯一の修正は自分が気に食わなかったからでした。

もうすぐリリースされる予定のNFT作品について教えていただけますか? 作品のインスピレーションは何ですか?

Ghoooooost~ — Edition 1 of 1

そうですね、実はこの「おにーズ」(鬼鬼)シリーズは、私自身のさまざまな心理状態を表しているものです。よくみて頂ければ気づくと思いますが、どれも鬼ごっこ的なものから発展させたものです。隠されたメッセージとしてそれぞれ違う感情や性格を表現したのですが、発見するのをお任せします。

私の作品の中でも、この「おにーズ」は最も人気のあるシリーズの一つで、それに何らかの形で命を吹き込むという考えはずっとありましたが、ちょうどLootexさんが一般的なグラフィック作品より、もっとNFTの発想に合うようなものを出してほしいと言っていたので、それが実現しました。

Lootexの仕事に興味を持ったきっかけは何ですか?

(もしかして一攫千金できるかもと思っていたからです、アハハハハ)

NFTの世界に入るにはどうしたらいいのかとずっと考えていましたが、まさかNFTのアーティストとして関わる機会があるとは思いもよらなかったです。台湾は他の国に比べて関連情報もチャンネルもわりと少ないのですが、Lootexはその点で完璧な繋ぎ役を果たしていると思います。

もう一つの正直なところは、私のアイドルのJustineと一緒にお仕事ができれば、もちろんイエスとしか言いません!ということです。 興味があるに決まってます!

今回のコロナ禍は現在または今後のプロジェクトになにか影響ありましたか?

コロナの関係で、実は今後の方向性はより明確になりました。例えば、数日前に『VERSE』が主催する「マルシェ」の出店に招かれましたが、従来の手描きのものではなくて、デジタル似顔絵をお客さまにお渡しすることができましたとか。

Photo credit: J.hao

その似顔絵がSNSのアイコンとして使って頂いていますので、手描きのものよりはネット上では利用される機会が断然多いのです。

その意味で、今後はデジタルワークにさらに力を入れて、実物制作の割合を少し減らしていこうと思っています。

次の目標を聞かせてください。

そうですね、「自己展」を企画してみたいですね!

キュレーター、会場デザイナー、アーティストに全部自分の名前で、さらに自分のポッドキャストで宣伝したりしてね。それでも見に来てくれる人がいたらいいなと思っていますが。

インタビュー(完)


リンク先サイト: instagram/j.hao_official
クライアント:VERSE, IVC
出版物のご案内:「明日への家-新しい同居生活」『VERSE』創刊号

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